半導体産業用ルテニウム前駆体

細く、薄く、導電性の高い相互接続線を作るためのルテニウム前駆体をお探しですか?ヘレウスは、お客様がALD(原子層堆積)やCVD(化学気相成長)のプロセスで使用する8種類の揮発性ルテニウム前駆体と中間体を提供しています。ルテニウムは、銅に代わる微細相互接続線の新材料として有望な成果を示しています。

現在の相互接続線技術の限界

デジタル化、人工知能、自律運転、高性能端末装置の進歩により、さらに小型で高性能なロジックチップが誕生しています。そのため、先端テクノロジーノードの微細化が進み、トランジスタや相互接続線がさらに小型化・微細化しています。トランジスタの小型化のための研究開発が続けられている一方で、より微細な銅製の相互接続線の製作が困難になってきています。

銅配線の微細化には、主に3つの課題があります

  • 銅線は、隣接材料の腐食を避けるために障壁層で包む必要があり、この障壁層が銅線の微細化の障害となる
  • 銅線が細くなるほどエレクトロマイグレーションが発生しやすくなる
  • 相互接続線の寸法が縮小化するほど、銅の抵抗率が上昇する

 

これらの問題点により、相互接続線の新材料を検討する必要が生じています。研究者(Wan et. al.)がIITCの会議論文(「サブ5nmインターコネクト用ルテニウムのサブトラクティブエッチング」)で述べるとおり、銅に代わる最も有望な候補の一つにルテニウムがあります。

ルテニウム前駆体が選ばれる理由

揮発性前駆体から蒸着法によって作られる金属ルテニウム薄膜は、直径数ナノメートル以下の配線に適用した場合、優れた材料特性を示します。

ルテニウムには以下の利点があります。

  • 熱劣化と電気的劣化に対する耐性 - トランジスタの耐用期間が延びる
  • 高融点 - 熱を帯びやすいものに使用可能
  • 障壁のない相互接続線の可能性 - デバイス構造の小型化とプロセス工程数の削減
  • 低抵抗率 - スイッチング時間の高速化で高性能チップを実現

半導体産業用のルテニウム前駆体

8種類のルテニウム化合物が、新しい相互接続線の材料として、ALD(原子層堆積法)やCVD(化学気相成長法)で使用できます。さらにヘレウスのルテニウム前駆体は、ハードマスキングに使用できます。

ルテニウム化合物

CAS番号 化学式 ご購入方法
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(II) 32992-96-4 Ru(EtCp)2 お問い合わせ
ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム(II) 1287-13-4 Ru(Cp)2 お問い合わせ
ジカルボニルシクロペンタジエニルルテニウム二量体 12132-87-5 [Ru(Cp)CO2]2 お問い合わせ
ビス(2,4-ジメチルペンタジエニル)ルテニウム 85908-78-7 Ru(DMPD)2 お問い合わせ
(トルエン)(1,5-シクロオクタジエン)ルテニウム 63395-20-0 Ru(COD)(Tol) お問い合わせ
トリルテニウムドデカカルボニル 15243-33-1 Ru3(CO)12 見積依頼
ジクロロ(p-シメン)ルテニウム(II)二量体 52462-29-0 [Ru(p-cymene)(Cl2)]2 見積依頼
(p-シメン)(N,N′-ジイソプロピル-1,2-エタンジイミン)ルテニウム 1638669-96-1 Ru(p-Cymene)(iPrDAD)

お問い合わせ

チップのメタライゼーションに貴金属系化合物を使用することは、半導体産業における新しい試みです。ヘレウスは、貴金属化学と貴金属サービスにおける豊富で幅広い経験を活かし、お客様をサポートします。

お問い合わせ